登記簿が閉鎖されているということは、その会社はもう存在しないということでしょうか?
司法書士の手塚宏樹です。「登記簿が閉鎖される」という言い方がありますが、閉鎖されるというのはいったいどういうことでしょうか。その会社はもうなくなってしまったのでしょうか。
登記簿が閉鎖されている場合、その会社がもうなくなっていることもありますし、そうでない場合もあります。
目次
登記簿はいつできるか
新規設立時
登記簿がつくられるのは、まず、会社が新しく設立されたときです。
本店所在地を管轄する法務局に、その会社の登記簿が作成されます。
「登記簿」といってもコンピュータのデータですので、全国どこの法務局でも登記事項証明書を取得することができます。
また、オンラインで登記情報を閲覧することもできます。
本店移転時
法務局の管轄が変わるような本店移転が行われたときにも、登記簿が作成されます。
たとえば、北海道から福岡へ本店移転をしたときには、新しい管轄である福岡に登記簿が作成されることになります。
しかし、法務局の管轄が変わらないのであれば、既存の登記簿のデータが書き換えられるだけで、新たに登記簿が作成されることはありません。
たとえば、東京都新宿区の中で本店移転をする場合などです。
特例有限会社から株式会社に移行したとき
特例有限会社から株式会社へ移行したとしても、商号が変更するだけで法人格は同一のままですが、以前の有限会社時代の登記簿は閉鎖され、あらたに株式会社として登記簿が作成されます。
このときの登記手続きは、特例有限会社については解散の登記を、株式会社については設立の登記をすることになります。
登記簿が閉鎖されるのはいつか
本店移転時
管轄が変更する本店移転をしたとき、移転先には新たに登記簿が作成されますが、移転元の登記簿は閉鎖されます。
もう使用しないからです。会社はなくなっていませんが、登記簿が閉鎖されるのはこのときです。
しかし、データは残っていますので、閉鎖事項証明書の交付を請求することができます。
清算結了時
会社が解散しても、登記簿は閉鎖されません。「何年何月何日株主総会の決議により解散」という文言が記載され、登記簿はそのまま存続します。
その後、清算期間が満了して、清算結了の登記を申請すると、登記簿は閉鎖されます。
職権での閉鎖
解散した後、10年が経過すると登記官が職権で登記簿を閉鎖することができます。
合併時
合併により、他の会社に吸収されて消滅した会社の登記簿は閉鎖されます。
特例有限会社から株式会社への移行時
特例有限会社時代の登記簿は閉鎖され、あらたに株式会社の登記簿が作成されます。
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