会社の登記簿謄本とは何なのか。どこで取れるのか。
司法書士の手塚宏樹です。登記簿謄本という言葉はよく聞きますが、実際に見たことがないとどのようなものか分からないかもしれません。
なお、上の写真は、登記簿謄本の実物(スキャンしたもの)の抜粋です。
目次
登記簿謄本とは
「登記簿謄本」と言ったり、「履歴事項全部証明書」とか「登記事項証明書」とか言ったりしますが、同じと考えていただいて結構です。
「登記簿」というのが法務局に保管されているデータそのもので、その情報を出力したものが、登記簿謄本、履歴事項全部証明書、登記事項証明書です。
むかしは、登記簿が紙で作成されていて、それがバインダーに綴じられていました。その写しということで「謄本」ですね。一部のみを記載した「抄本」もありました。
いまはコンピュータで管理されていますので、それをプリントアウトしたものに登記官の印が表示されています。
登記される事項
会社を設立すると登記簿が作られます。
その登記簿にはどんな事項が記載されているのでしょうか。
代表的な登記事項には下記のようなものがあります。
- 商号(会社名)
- 本店住所
- 公告方法
- 会社成立の年月日
- 事業目的
- 発行可能株式総数
- 発行済株式総数
- 資本金の額
- 株式の譲渡制限の規定
- 役員の住所氏名
登記簿謄本はどんなときに必要なのか
コロナウイルスによって、融資の申込みが増えていると思いますが、会社が融資の申込みをするときには常に必要でしょう。
重要な契約を締結する場面でも印鑑証明書とともに、求められることが多いでしょう。
公証役場に提出するということもあります。
その他、会社として役所に何かしらの手続きを申請するときに必要になることが多いです。
どうやって取得するのか、誰が取れるのか
日本全国の法務局で、誰でも取得できます(ただし,コンピュータ化前に閉鎖されている会社・法人の閉鎖登記簿謄本等は,管轄登記所にしか請求できません。紙で管理されているからです)。
会社の管轄の法務局でなくても、商号と本店が分かれば取得できます。本店住所は、「東京都港区」などまで分かっていれば、何丁目何番何号まで分からなくてもOKです。
誰でもというのは、会社の人間でなくても、完全な第三者でも取得できるということです。
そもそも登記簿は公開されている情報ですので、誰でも見ることができるのです。
なお、会社の印鑑証明書は、印鑑カードを持っていないと取得することができません。
設立登記をした後、登記が必要になるのはどんなときか
登記簿に記載されている事項に変更が生じたときには登記が必要になります。
たとえば会社名が変わったり、本店が移転したとき、役員が変更したとき、増資をしたとき、などです。
あるいは、現在登記がされていない事項であったとしても、登記が必要になることがあります。
たとえば今まで監査役がいない会社に新たに監査役が就任することになった場合や、新株予約権を初めて発行したとき、支店を初めて設置したときなどです。
決算月や役員の任期、株主の氏名などは登記事項ではない
司法書士としては決算月、役員の任期などは登記事項であってもいいような気がしますが、現状、そうはなっていません。
また、株主についても登記事項ではないので、その存在は全くオモテには出てきません。
変更登記はいつまでにやればいいのか
株主総会や取締役会で決定されて何かしらの変更が生じたときから2週間以内に登記をしなければならないとされています。
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