【議事録の記載例あり】減資の登記のやり方を司法書士が解説します
司法書士の手塚宏樹です。税理士さん経由での案件でときどきあるのが、資本金の減少の登記です。
配当を行うため、または、欠損填補のため、という理由です。
この記事では、登記を行う場合の手続きのやり方を説明しています。
目次
減資とは
文字通り、資本金の額を減少させることですが、会社からお金が出ていくこととイコールではありません。
資本金として計上されていた数字が、別のところ(剰余金)の項目に振り替えられるのです。
株主に対して、出資してもらったお金を返すということであれば、それは株式譲渡の手続きになります。株主から株式を買取るということですね。
ちなみに、買い取った株式を消却しても、資本金の減少にはなりません。
減資を決定するのは株主総会
資本金は、もともと株主から出資してもらったものです。それを減少させる手続きとなるので株主総会の決議(特別決議)が必要となります。
また、会社に対して債権を有する利害関係人を対象に、債権者保護手続をとる必要があります。
債権者保護手続には最低1ヶ月必要とされていますので、スケジュールには十分ご注意ください。
決定すべき事項
- 減資する額
- 減資する額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及びその額
- 減資の効力発生日
減資の登記のやり方
登記をするにあたっては、官報公告の掲載が必要となります。官報そのものが添付書面となりますので、必ず行わなければなりません。
そして、掲載申込みをしてもすぐに掲載されるわけではなく2週間ほど余裕を見ておいてください。
弊所に最初のお申し込みをいただいてから登記完了までは約2ヶ月かかります。
スケジュール(登記完了まで約2ヶ月)
- 弊所へのお申し込み
- 株主総会にて減資をすること、その内容の決定 ※株主総会議事録は弊所にて作成します
- 弊所にて官報公告の申込み
- 債権者に対して通知書を送る ※通知書の文案は弊所にて作成します
- 登記書類に押印をいただく
- 弊所にて登記申請
- 申請後、2週間ほどで登記完了
- 変更後の登記簿謄本を取得
必要書類
- 株主総会議事録
- 減資公告が掲載された官報
- 債権者への通知書
- 債権者一覧表
株主総会議事録の書き方
下記のように記載すれば、法務局の処理では問題ありません。
第1号議案 資本金の額の減少の件
議長は、次のとおり資本金の額を減少したい旨を述べ、その理由を詳細に説明し、その賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもってこれに賛成した。
よって、議長は、次のとおり可決された旨を宣した。
1.減少する資本金の額 金100万円
1.資本金額減少の効力発生日 令和2年4月1日
登録免許税
減少する資本金の額に関わらず、申請1件につき3万円です。
官報公告掲載料
減資に関する公告のみだと約5万円ですが、決算公告をあわせて行う場合は約15万円となります。
手塚司法書士事務所に依頼されるときの手数料
書類作成、官報掲載申込み代行、登記申請代行、すべて含んで7万円です。
加えて、登録免許税や官報公告掲載手数料が加算されます。
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