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増資・減資

【議事録の記載例あり】募集株式の発行(増資)の登記のやり方を司法書士が解説します

    司法書士の手塚宏樹です。この記事では募集株式の発行をした場合の登記手続きについてご説明していきます。

    募集株式の発行については、一般的には「増資」と言われることが多いでしょうか。

    会社を設立したあとに、株式を発行して資本金を増やす、というイメージです。

    出資をしてもらうその対価として株式を渡す、と言うこともできますね。

    目次

    募集株式の発行とは

    会社が、設立後に出資を募るときは、募集株式の発行という方法をとります。

    いわゆる増資です。

    株主割当てと第三者割当て

    株主全員に同じ条件で株式を割り当てるのが株主割当てで、申し込んできた特定の人にだけ株式を割り当てるのが第三者割当てです。

    オーナー社長が一人で全株式を持っていて、その方一人がさらに出資をするというような場合は、株主割当てでも良いですが、実務上、第三者割当ての形式で書類を作成することも可能です。

    株式を発行するかどうか

    募集株式の発行をするときに、必ずしも新たに株式を発行する必要はありません

    (募集株式の「発行」といっているのに何だかおかしな感じはしますが)

    つまり、会社が自己株式を保有しているときであれば、その株式を放出することによって、出資の対価とすることができるのです。

    この場合、発行済株式総数には変更がありません。

    発行済株式総数として登記されている株数のなかには、会社が保有する自己株式も含まれているからです。

    自己株式を交付することと新株発行を組み合わせることも可能

    たとえば今回、100株を申込者に交付する必要があるとして、そのうち50株を自己株式から、残りの50株を新株発行で、とすることもできます。

    この場合、50株分、発行済株式総数が増える登記が必要です。

    自己株式だけを交付するときには資本金は増えない

    申込者としては、会社にお金を入れて、その対価として株式を受け取ります。

    たとえそれが、会社が保有していた自己株式だったとしても、会社には新たな資金が入りますので資本金が増えるような気がしますが、そうはなりません。資本金の額は下記の式により計算されます。

    資本金等増加限度額=払込まれた金額×株式の発行割合-自己株式の処分差損

    簡単にいうと、あらたに株式を発行しないと資本金は増えないということです。

     

    つまり、すべてを自己株式の交付でまかなうとすると、資本金も発行済株式総数も増えないので、何も登記手続きをしなくて良い、ということになります。

    募集株式の発行の登記のやり方

    スケジュール

    • 株主総会または取締役会で、増資をする旨を決議します。→議事録の作成は弊所にお任せください
    • 申込者が会社の銀行口座に出資額に相当するお金を入金します。
    • 株主総会議事録、取締役会議事録に押印をします。
    • 登記申請をします。
    • 申請後、2週間ほどで登記が完了します(管轄の法務局により日数は大幅に変動することがあります)。

    最短で1日での申請も可能

    出資者、出資額が決まっていて、すぐに資金を振込む用意もできている、ということであれば、最短で1日で登記申請を行うことも可能です。

    多くの場合は、弊所へのお申込みから1週間~10日程度で登記申請を行う、というスケジュール感です。

    必要書類

    • 株主総会議事録、取締役会議事録
    • 出資を希望する人からの申込書
    • 払込みがあったことを証する書面(出資額を入金したあとの通帳コピーを添付します)
    • 資本金の額の計算書
    • 司法書士への委任状

    「通帳コピー」というのがありますが、これは、間違いなく資本金としてお金が入ってきました、ということを証明するためのものです。

    基本的には、株主総会の決議をした日より後に新たに振込みをする、ということになります。

    銀行口座に、必要分の残高があるからそれで良い、とはならないのです

    必ず、新たに入金をしてください。ただし、入金後の残高が、資本金と同額になる必要はまったくありません。

    株主総会議事録の書き方

    下記のように記載すれば法務局での処理は問題ありません。

    議  案 募集株式発行の件

    議長は、下記により募集株式を発行したい旨を述べ、その理由を詳細に説明した。
    議長がその賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもってこれに賛成した。
    よって、議長は、下記のとおり可決された旨を宣した。

    1.募集株式の数      普通株式  100株
    1.募集株式の払込金額   1株につき金10000円
    1.払込期日又は期間    令和2年5月1日
    1.増加する資本金の額   金100万円
    1.増加する資本準備金の額 金0円
    1.割当方法
    申込みがあることを条件として、新株を次の者に割り当てる。
    東京都小平市花小金井南町1-13-23
    100株  手塚宏樹
    1.その他、必要な一切の事項は、今後取締役において決定する。

    登録免許税

    増加する資本金の額の0.7%を登録免許税として法務局に納付します。

    ただし、最低額は3万円なので、たとえば100万円を増資するときは計算式では7000円となりますが、3万円の納付となります。

    手塚司法書士事務所に依頼されるときの手数料

    弊所にご依頼いただく際の手数料は、5万円です。
    書類作成、登記申請すべてを行います。

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